無電解ニッケルボロンめっき
無電解ニッケルボロンめっき
無電解ニッケル皮膜にホウ素(B)を含有させた膜質により、硬度が高く耐摩耗性に優れます。電気を使用しないため皮膜の析出が均ーで、複雑な形状にもめっきが可能です。また、融点が1400℃と高く、耐熱性、はんだ付け性にも優れています。
特性
1. 膜厚1µm〜(指定可能)
2. 高光沢シルバー色
3. 鉛フリー仕様
組成 | ニッケル99Wt% ホウ素 1Wt% |
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硬度 | 析出状態:750~800Hv 熱処理後:850Hv |
密度 | 8.6g/m² |
融点 | 約1400℃ |
摩擦係数 | 静摩擦0.06 動摩擦0.04(無電解ニッケルボロンめっき同士) 測定速度:200mm/分 荷重:100g |
電気抵抗 | 5〜7µΩ ·cm 伝導性は良好 |
磁性 | 強磁性 |
はんだ付け性 | 良好 |
特徴
- 1. 硬度が高い
熱処理なしでも750Hv~800Hvの硬度があり、熱処理することで850Hvまで増します。
- 2. 皮膜が均一
電気を使用せず化学反応で析出するため、細部も均ーな皮膜が形成されます。
- 3. 皮膜は柔軟性がある
皮膜に柔軟性があるため、バネなどの伸縮する動きに追従します。
- 4. 融点が高い
融点が1400℃と他のめっきと比較して高くなります。高温環境での使用が可能です。
- 5. 摩擦係数が低い
摩擦係数が低く、摺動性に優れます。
- 6. はんだ付け性が良い
はんだ付け性が良いのが大きな特徴で、接点部品や電子部品などに用いられます。
- 7. 処理温度が低い
処理温度は65℃と比較的低く、熱によるひずみを嫌う部品によく用いられます。
無電解ニッケルリン(Ni-P)十無電解ニッケルボロン(Ni-B)
無電解ニッケルボロンめっきは、主成分である還元剤ジメチルアミンボランが高価なため、処理単価は比較的高価になります。また、析出スピードが遅くめっき時間が掛かるため、厚めの膜厚が必要な場合は、下層に無電解ニッケルリンをめっきすることをおすすめします。上層の無電解ニッケルボロンの膜厚を充分につけることで、無電解ニッケルボロン単一の皮膜と同等の効果が得られます。
無電解ニッケルリンーボロン(Ni-P-B)
無電解ニッケルリンと無電解ニッケルボロンを一度にめっきする方法も有ります。ご相談ください。
用途例
溶接部品、ピストン・シリンダ・ベアリング等自動車部品、精密機械部品、電子部品、端子、接点部品、バルブ、ポンプ、振動弁、熱交換器他