リン酸マンガン( 別名リューブライト)
リン酸マンガン(別名リューブライト)
リン酸マンガン処理とは、リン酸塩処理の一つです。
リン酸マンガン処理は、主成分がリン酸イオンとマンガンイオンで構成された処理溶液を用い、鉄鋼製品の表面に、リン酸マンガン系の結晶性の皮膜を生成させる化成処理です。
処理温度は約80~100℃、処理時間は約5~20分です。
皮膜はリン酸亜鉛処理より厚く、表面の粒子が粗いという特徴があります。
耐摩耗性に優れ、潤滑作用を大きくする特色があるため、主にギアやピストンといった自動車部品や油圧高圧摺動部品の表面処理として使われます。
リン酸マンガン処理により、機械仕上げ面の削り目を消すことができるため、回転摺動部分の部品同士の初期馴染みが良くなります。
また、皮膜は剥離することがなく、油の吸収性や保持性が良いため、摺動部分の焼き付きやカジリを抑制する効果もあります。これにより、エネルギーロスや油の使用量を削減できるので、省エネ・省コストにつながります。
また、表面粒子が粗く塗装の密着性を向上させる効果もあるため、塗装の下地としても使用される他、防錆皮膜としても用いられます。
特性
1. 黒色
2. 膜厚5~15μ程度で摺動性、耐磨耗性、初期なじみがある。
特徴
- 1. 均一な皮膜を得ることが可能
電流を用いない化学処理なので、被処理品が複雑な形状のものでも均一な皮膜を得ることができます。しかも大量処理が可能です。
- 2. 材質にダメージを与えない
加工温度は100℃を越えないので、材質にダメージをきたすようなことはありません。
- 3. 塗装下地として極めて有効
耐食性皮膜であり表面には適当な粗度をもっているので塗装下地としては極めて有効です。
- 4. 鉄鋼製品の寿命を延ばす効果
耐摩耗性に優れ、防錆効果が得られるので鉄鋼製品の寿命を延ばすことができます。
用途例
歯車、ギヤ、ハウジング、シリンダー、軸受、高荷重ボルト、油圧機械部品、塗装下地など